皆さんこんにちは。合唱が好きな愛西の某スタッフです😊
前回と同様今回も「移動ド唱法」について触れますが、今回は短調の移動ドの表現方法について考えてみます。
音名(英語ABC)と階名(ドレミ)を載せています。
例えば、ハ長調はハ音(英語でC、固定ドでいう「ド」の音)を中心としています。
これを短調にしてみましょう。ハ長調と平行調(構成音がほぼ同じ)の関係にあるイ短調にしてみます。この場合は主音が「ラ」になります。こちらの方がなじみが深い、という人も多いかもしれません。
「ソ」が半音上がったり、追加で「ファ」が半音上がったりする場合もあります。
あるいは、ハ長調と同主調(中心となる音が同じ)の関係にあるハ短調にすることも考えられます。こちらは♭の記号が多くつきますが、主音が「ド」のまま変わりません。
このように、短調の階名は長調との関係によって、大きく分けて2通りの割り当て方があると言えます。これを踏まえて、以下のメロディの階名を見てみましょう。
荒城の月(曲:瀧廉太郎)
「ソドレミ」の音形の亜種「ミラシド」(「ソドレミ♭」)で始まっています。
アラベスク(曲:J. ブルグミュラー)
ピアノの練習曲ですね。この範囲内では主音を「ラ」とした場合に「♯」が出てきません。
白鳥たちの踊り(「白鳥の湖」より、曲:P. チャイコフスキー)
こちらは主音を「ラ」とした場合の「ソ♯」が何度か出てきます。
闘牛士の歌(「カルメン」より、曲:G. ビゼー)
ヘ短調で始まりますが、途中でヘ長調に切り替わります。
この場合は短調の部分の主音を「ド」にすると「ヘ音=ド」の関係が維持されます。
(転旋後)
というわけで、短調のメロディでも構成音のパターンは様々、主音を「ラ」か「ド」のどちらにすると読みやすいかは曲にもよると思います。
この2通りの読み方を知って使い分けられれば、メロディの解釈の幅が広がるのではないでしょうか? 🎵