障害者雇用創造センター_萬谷インタビュー
障害者雇用創造センターについて、「名前は聞いたことがあるけれど、どんな場所なのだろう?」と、よく分からず不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、事業所の見学や体験、利用までの具体的な流れなど、皆さまが気になる疑問を一つひとつ解消していきます。
障害者雇用創造センターのサービス管理責任者である萬谷はるみが、ITカレッジの魅力や安心のサポート体制について、丁寧にご説明いたします。

インタビュー対象者プロフィール

萬谷 はるみ 氏

NPO法人 障害者雇用創造センター サービス管理責任者

前編はこちらからご覧いただけます。

障害者雇用創造センターインタビュー 【第三回】 見学・体験・利用の流れを完全解説!(前編)

Officeソフトもプログラミングも。資格取得を全力サポート

障碍者ITカレッジ愛西では、具体的にはどのような訓練ができるのでしょうか?

萬谷

はい、ITに関しては非常に自信を持っています。
まず基本となるOffice系(Excel、Word、PowerPoint、Access)のスキルはもちろん、プログラミングデザインの勉強も可能です。
最近では新しく3Dプリンターも導入しましたので、それを活用したモノづくりの勉強もできるようになりました。

3Dプリンター画像
3Dプリンター制作物:障碍者ITカレッジ愛西のロゴ
多肉鉢画像

3Dプリンターまで!最先端ですね。
資格取得を目指している方もいらっしゃるのでしょうか?

萬谷

たくさんいらっしゃいます。
履歴書の資格欄に書ける「MOS(モス)」などの取得に向けて励んでいる方も多いです。
事業所にテキストを用意していますので、新しく自分で買い揃える必要はありません。
貸し出し用のテキストを読み進めながら、ご自身のペースで勉強を進めていただけます。

「ここが分からない」と壁にぶつかった時はどうすればいいですか?専門の職員さんは常にいらっしゃるのでしょうか?


萬谷

はい、専門の職員が常駐していますので安心してください。
分からない部分があれば、その場ですぐに質問していただける体制を整えています。

また、IT分野だけでなく、例えば「簿記」「基本情報技術者試験」など、ご自身が取得したい資格の勉強にお席を使っていただくことも可能です。
基本的にはご自身のペースで進める「自習スタイル」ですが、困った時にはいつでも私たちがサポートに入る、という形をとっています。

幅広い訓練ができるのですね。

萬谷

そうですね。当センターでは、利用を始める時期も違えば、学びたい内容や進み具合も皆さんバラバラです。ですから、「みんなで一斉に同じことをする」のではなく、一人ひとりの目標やペースに合わせた「個別対応」を大切にしています。

「ITカレッジ」という名前ですが、実は軽作業(内職)の実務トレーニングができるのも私たちの強みです。
パソコンをメインにしたい方、軽作業を中心にしたい方、あるいは「両方を半分ずつやりたい」という方など、ご本人の希望を聞きながら、相談して決めていくことができます。

軽作業から学ぶ「コミュニケーション」

自分のペースで、しかも「いいとこ取り」ができるのは安心ですね。
画面に向かうパソコン作業とはまた違った、軽作業ならではの学びのポイントはどこにありますか?


萬谷

デスクで黙々とパソコンに向かっているだけでは、人との関わりや社会性を育む機会がどうしても少なくなってしまいがちです。
ですが軽作業を行うと、職員からの指示をどう受けるか、分からない時にどう相談するかといったコミュニケーションが自然に生まれるんです。

どのくらい指示を理解できて、どこまで自分で進められるのか。
分からないところを自分から報告したり、質問したりする。
そうしたやり取りを通じて、コミュニケーション能力を磨いていける貴重な時間になっています。


さらにお伝えしたいのは、これらのお仕事はすべて外部の企業様からいただいた「実際の業務」だということです。
事業所を実際の職場に見立てて訓練することで、「自分はこういう作業が得意だな」「こういう配慮があれば安心して働けるな」と、 自分自身の強みや特徴を深く知ること ができます。

そうやって自分を理解することが、将来「自分が活躍できる場所」を探していく就職活動において、何より大きな武器になっていくんです!

利用開始までの主なステップ:「受給者証」の申請と準備

見学や体験を経て、「ここで頑張ってみたい!」と利用が決まった後の流れについて教えてください。

萬谷

はい。実際に福祉サービスを利用するためには、自治体から発行される 「受給者証」 というものが必要になります。これをお住まいの市町村(名古屋市の方は区役所)の福祉課に申請していただくのが、最初のステップです。


申請には何が必要なのでしょうか?

萬谷

すでに障害者手帳や自立支援医療をお持ちの方はスムーズですが、まだ病院にかかっておらず診断名がないという方は、お医者様の 「診断書」 が必要になります。それを持って市役所へ行く、という流れですね。

もし「メンタルクリニックなど、どこに行けばいいんだろう」と不安な方がいらっしゃれば、私たちが 「病院同行」 をさせていただくことも可能です。


就職のために就労移行支援を利用したい、という前向きな一歩をしっかりサポートしますので、一人で悩まずに相談してくださいね。

「利用料金」についても伺いたいのですが、こちらを利用するにあたって費用はかかるのでしょうか?

萬谷

利用料金は、ご本人の前年度の所得に応じて決まります。ただ、実際には約9割の方が「無料」で利用されています。

基本的にはご本人の前年度の所得で判断されます。ただ、配偶者がみえる方の場合は「世帯所得」となりますので、ご本人と配偶者様のお二人を合わせた金額ですね。前年度にお住まいの市町村民税が課税されているかどうかで料金が変わってきます。

少し制度的な仕組みが複雑な部分もありますので、詳細についてはぜひ当センターのホームページも併せてご確認いただけると助かります。
https://npo-aisai.jp/charges/

利用が決まってから実際に通い始めるまでに、準備しておくことや期間の目安はありますか?

萬谷

そうですね、まずは受給者証の申請に行っていただくのですが、実は申請してから「利用していいですよ」という支給決定が出るまでには、日数がかかるんです。

お住まいの市町村によっても違いますが、早いところで2週間、長いところだと2ヶ月近くかかる可能性もあります。そうなると、せっかく「よし、頑張るぞ!」と前向きな気持ちになっているのに、手続きの間ずっと自宅で待っているだけでは、どうしてもその気持ちが萎えてしまいがちですよね。

ですから当センターでは、「やってみよう!」というそのお気持ちを、何より大切にしたいと考えています。

すでに申請を済ませている方であれば、支給決定が出るまでの間も「体験継続」という形でお越しいただくことが可能です。
自宅で待つのではなく、実際に通いながら決定を待つ。そうすることで、スムーズに利用開始へと繋げていただけます。
せっかく前を向いたその瞬間を、私たちは全力で応援したいんです。


後編では
・無理のない通い方(週何日・短時間からOK)
・1日の具体的な流れや過ごし方
・安心して続けるためのサポート体制
を詳しくご紹介しています。

 

気になる方は、ぜひ後編の公開をお待ちくださいね。

 

※この記事は2026年3月の取材に基づいています

取材:福本 / 撮影:松浦 / 編集:細野・平賀